免疫力と睡眠の深い関係は?

私たちの周囲には目に見えない細菌やウイルスがウヨウヨしています。アメリカのアリゾナ大学がオフィスの細菌量を調査したところ、パソコンのキーボードには約3300個もの細菌がいました。スマホや冷蔵庫のドア、また歯ブラシにマグカップやコップ…。ウイルスや細菌は、どこにでもひそんでいるので、私たちの体に容赦なく侵入していきます。でも、体に備わっている免疫機能がガードしてくれるので、通常は問題なく生活できるんです。

①T細胞とは?

ウイルスや細菌は体内に入って、細胞にとりこまれます。すると、細胞は変化して感染症やガンなどをひきおこします。でも、たとえば、リンパ球のなかのT細胞という免疫細胞は、ウイルスに感染した細胞をみつけて攻撃し、感染した細胞を消去します。また、T細胞は暴走して健康な細胞まで破壊しないように、ブレーキ機能も備えています。だから、細菌やウイルスに感染した細胞だけを破壊して元気な細胞は残しておくことができるんですね。この優秀なT細胞は私たちの睡眠中に作られます。だから、睡眠が足りないと、T細胞が十分に作られないから大きな病気にかかるリスクが高まるんです。

②寝ると病気リスクが低くなる?

たとえば、2003年にドイツの免疫学者が行なった実験で、20歳前後の男女にA型肝炎のワクチンを打ち、そのうちの約半数には一晩十分に睡眠を取らせ、残りの人たちは眠らせませんでした。4週間後に検査したところ、十分に睡眠をとった人たちは、眠らなかった人たちと比べて抗体の量が2倍近かったという結果が出ました。つまり、よく寝た人たちの方が免疫力が高まり、病気のリスクが少なくなるということです。

免疫力が高まると、風邪をひきにくくなり、インフルエンザなどの感染症にもかかりにくくなります。また、花粉症などのアレルギーのリスク、ガンや肝炎などのリスクも減らすことができるんです。たかが睡眠と思うかもしれませんが、私たちが健康に暮らしていくためには、十分に睡眠をとることがとても大切なんですね。

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